灘友 千紘
臨床心理士・公認心理師。
立教大学大学院・臨床心理学専攻修了。
修了後は、精神科病院や小児児童精神科クリニック等の医療施設で勤務。2014年、結婚を機に関西へ移住。
小学校・中学校のスクールカウンセラーや幼稚園の巡回相談など、子ども及び保護者や教育に関わる人を支える仕事に携わる。
2024年現在、京都府亀岡市スクールカウンセラー。光華幼稚園キンダーカウンセラー。
好きなこと:音楽を聴くこと。移動中は欠かさずお気に入りの音楽を聴いています。
30分以内で手軽にできる、簡単なおやつを作ること。得意なおやつは、パン耳ラスクです。
最近は、パン作りにも興味がわいてきています…!
苦手なこと:マルチタスクが大の苦手。1度に1つのことしかできません…。
緊張しいの人見知りなので、初めての場所に行くのも苦手。
整理整頓も得意ではなく、よく探し物をしています。
【私の生い立ち】
私が人の心に関わるような仕事をしたいと思ったのは、中学生の時でした。
あまりよく考えず、姉の真似をするような形で決めた中学受験。
毎週末塾に通った甲斐もあり、無事第1志望に入学することができたのですが…入学早々、不登校になりました。
ある日は、宿題をやって、明日の準備をして寝たのに、朝制服を見ると泣けてきて着替えられず。
別の日は、着替えて朝ごはんを食べて、玄関まで行ったのに靴が履けず。
さらに別の日は、1人で電車に乗って学校まで行ったのに、教室に入れず。
学校には、行ったり行かなかったりを繰り返していました。
慣れない電車通学,一からの友達作り,次々先生が変わる授業…
不登校のそれらしい理由を挙げればキリがないけれど、
これだ!と言える決め手のようなものはありませんでした。
行けない理由が自分でもよく分からず、
“あんなに苦労して勉強したのに、なぜ行けないんだろう”
とモヤモヤしていたある日、忘れられない出来事が起きました。
その日は登校したけれど教室には入れなかった日で、
保健室のベッドにカーテンをひいて、1人でただボーっとしていました。
すると、休み時間に1人の生徒が泣きながら保健室に入ってきました。
室内の小さな小部屋で、泣きながら先生と話し始めたその人は、
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴る頃「聞いてくれてありがとう」と言って、
とてもいい笑顔で保健室を出て行きました。
カーテンの隙間から見えたその笑顔に勇気をもらって、
その日、私は初めて「学校に行くのが辛い」と先生に伝えました。
そしてその日を境に、私は学校に通えるようになりました。
「いつか、こういう仕事ができたらいいな」
そう思いながら進学した心理学科で、楽しく勉強しているうちに
いつしか臨床心理士と呼ばれる心の専門家になる道を選択。
念願だった仕事に就くことができ、結婚もして充実した毎日を過ごしていた私でしたが…
30代になった頃、中学生以来の大きな壁にぶつかることになりました。
それが、子育てだったんです。
もともとの子ども好きな性格も、大学で学んだ発達心理学の知識も
目の前で泣いている赤ちゃんの前では、通用しないことばかり。
産後の2年間は夜通し寝られたことがなく、常に寝不足でイライラしていました。
周囲に友達もおらず、児童館に行く勇気もない。
当時はわからなかったけど、今思えばノイローゼ状態だったのだと思います。
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